民泊のゲスト対応、AIはどこまで返せるか|35施設・2,993通の実測(2026年9〜10月)

民泊の運営で、いちばん時間を取られるのに外からは見えないのがゲストとのメッセージです。「AIに任せられる」とよく言われますが、実際にどれくらい自動で返せて、どれくらい人の判断が要るのか。株式会社MOSVAが運営・代行に携わる35施設で、2026年9月1日〜10月31日の61日間に届いたゲストメッセージ2,993通を数えました。
この記事の数字は、弊社のAirHost(予約・メッセージ管理システム)に届いたメッセージを、弊社の通知システムが記録したものをそのまま集計しています。推定値はありません。
先に結論
- ゲストからのメッセージは1日あたり49通、1予約あたり約6通届く。
- そのうち人が読んで判断する必要があったのは33%。残りはAIが施設情報の範囲で返信するか、お礼など返信が不要なものだった。
- 時間帯は朝10時台が最多で、夜21時台に二つ目の山がある。19〜23時に全体の19%、23時〜朝9時にも19%が届く。
- 人の判断が要るメッセージは日中で1日9通、夜(19〜23時)で3〜4通、深夜で3〜4通。「夜は少ないから放っておける」とは言えない量。
1日49通、1予約あたり6通
61日間で2,993通。対象は35施設・489予約です。1施設あたりにすると1日1.4通ですが、届き方は均等ではなく、チェックイン当日と予約直後に集中します。
| 件数 | |
|---|---|
| 期間 | 2026年9月1日〜10月31日(61日) |
| 施設数 | 35 |
| 予約数 | 489 |
| ゲストからのメッセージ | 2,993通(1日49通) |
| 1予約あたり | 約6.1通 |
| うち予約前の問い合わせ | 789通(26%) |
予約前の問い合わせが全体の4分の1を占めるのは見落とされがちな点です。「空いていますか」「〇人でも泊まれますか」「もう少し安くなりませんか」といった問い合わせは、返信が遅いとそのまま他の施設に流れます。
人が対応したのは3分の1
2,993通のうち、弊社のシステムが「人が読んで判断する必要がある」と判定して担当者に回したのは987通(33%)でした。残りの2,006通は、チェックイン方法・設備・Wi-Fi・アクセス・ハウスルールなど、施設情報に決まった答えがある質問にAIが返信したか、「ありがとうございます」「了解しました」のように返信が不要だったものです。
人に回ったものの中身は、次のようなものです(実際のメッセージを要約しています)。
- 「14〜15時ごろにチェックインできると助かります」(早めの入室の相談)
- 「もう1泊延ばしたい。レイトチェックアウトはできますか」(延泊・延長)
- 「Wi-FiのQRコードを読んでも何も表示されません」(設備の不具合)
- 「どの階のどの部屋に向かえばいいか分かりません」(当日の入室案内)
- 「滞在日程を変更したい」(予約変更)
- 「清掃をしたと言われましたが、写真を送った所だけでした」(クレーム)
共通するのは、答えが施設情報の中に無いことです。清掃の進み具合、当日の空き、料金の判断、謝罪。ここはAIではなく人が返す必要があり、しかも相手は今まさに建物の前にいることが多い。
時間帯:朝10時と夜21時に山がある
| 時間帯 | 全メッセージ | うち人が対応 | 人の対応(1日あたり) |
|---|---|---|---|
| 日中 9〜19時 | 1,843通(62%) | 568通 | 9.3通 |
| 夜 19〜23時 | 570通(19%) | 213通 | 3.5通 |
| 深夜 23〜9時 | 580通(19%) | 206通 | 3.4通 |
朝10時台はチェックアウト直後の連絡と、当日チェックインのゲストからの「何時から入れますか」が重なります。夕方16〜17時は到着前後の連絡、21時台は到着後の「〇〇が使えない」「場所が分からない」です。
夜19〜23時は、1時間あたりの件数では日中と大きく変わりません。担当者が帰宅した後に、日中と同じ密度でメッセージが届いている、というのが実態です。
このデータから、ゲスト対応をどう組んだか
弊社ではこの数字をもとに、ゲスト対応を次の3層にしています。
- 施設情報に答えがある質問は、AIが24時間その場で返す。 確信度が基準に届かない回答は送らず、人に回します。
- 判断が要るものは、日中はスタッフ、19〜23時は夜間の担当者が返す。 2026年11月から夜間専任の担当者を置き、21時台の山に人がいる状態にしました。
- スタッフが返した答えは施設情報に登録し、同じ質問は次からAIが返す。 人の対応が減る方向に、毎日少しずつ寄せていきます。
この仕組みを、清掃はご自身で回す方向けに固定料金で提供しているのが「民泊メッセージ代行(ゲスト対応代行)」です。
ゲスト対応だけを、固定料金で任せる
Airbnb・Booking.comの返信をAIとスタッフで代行。電話・レビュー・宿泊者名簿・価格運用まで含めて、1室あたり月額15,800円〜(税抜・総室数で変動)。清掃は含みません。
自分で回すなら:この数字をどう使うか
外注しない場合でも、この実測は運営の設計に使えます。
- 返信の担当時間を「夜21時台まで」にする。 19時で止めると、1日のメッセージの4割に翌朝まで返せません。
- 予約前の問い合わせに、定型の即返信を用意する。 全体の26%がここで、返信の速さがそのまま予約に効きます。
- 「施設情報に答えがある質問」を全部書き出す。 チェックイン方法・Wi-Fi・ゴミ出し・アクセス・ハウスルール。ここが整っていれば、AIでも人でも返信の7割は定型で済みます。
- 清掃の進捗を返信側から見えるようにする。 「早く入れますか」に答えられない原因の多くは、清掃が終わったかを返信担当が知らないことです。
よくある質問
この数字はどの施設の実績ですか?
株式会社MOSVAが運営または運営代行に携わる35施設(東京都内を中心に、熱海・高山・沖縄などを含む)の、2026年9月1日〜10月31日の実績です。施設名は公開していません。
AIが返信した内容は人が確認していますか?
はい。AIが返信した分も記録に残し、翌日に担当者が読み返して、間違いや不足があれば施設情報を直します。AIが返した内容をそのまま放置する運用ではありません。
外国語のメッセージも含まれていますか?
含まれています。英語・中国語・韓国語などのメッセージも同じ流れで届き、AIは多言語で返信します。ただし弊社のシステムは原文を日本語に翻訳した状態で記録するため、この記事では言語別の件数は出していません。
民泊のご相談はMOSVAへ
物件選びから許認可、インテリア、ゲスト対応、清掃まで一括で代行しています。 使っていない空き家をお持ちなら、空き家管理サービス「カヨイエ」で守りながら活用を考えることもできます。
