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民泊は儲かるのか?自社運営11室の実測データをタイプ別に公開(都市型26万・リゾート40万・ヴィラ152万)

目次
  1. 実測:タイプ別の稼働率・単価・月商
  2. そこから引かれるもの:タイプ別の実測コスト
  3. モデル計算:手元にいくら残るか
  4. 民泊新法の届出住宅は「年間180日」で上限が決まる
  5. 儲からないケースの共通点
  6. まとめ

「民泊って、実際のところ儲かるんですか?」

物件を探している方から最も多くいただく質問です。ネット上には「月50万円の不労所得」といった景気のいい話も、「もう飽和して稼げない」という話も両方あります。

答えは物件のタイプによって、まったく違うというのが実際のところです。この記事では、東京・熱海・沖縄・千葉で民泊を自社運営している株式会社MOSVAが、運営中の全11室の実測データをタイプ別に公開したうえで、そこから何が引かれて手元にいくら残るのかを計算します。数字は2026年9月9日時点、直近180日の実績です。

実測:タイプ別の稼働率・単価・月商

自社運営する全11室を、物件のタイプで3つに分けた実測値です。都合の良い部屋だけを抜き出さず、運営中の全室を対象にしています。

タイプ 室数 平均稼働率 1泊あたり売上 1室あたり月商
都市型マンション(東京23区・定員2〜4名) 6室 59.2% 14,277円 約25.7万円
リゾート型(熱海・沖縄・定員5〜6名) 3室 55.5% 23,416円 約39.5万円
一棟貸しヴィラ(千葉・定員12名) 1棟 49.3% 101,258円 約152万円
全体 11室 55.8% 19,803円 約33.6万円

数字の前提を明示しておきます。

  • 1泊あたりの売上は、ゲストが支払う清掃料金を含み、予約サイトの手数料を引く前のグロスです。宿泊料だけを見た「ADR」より高く出ます
  • 一棟貸しヴィラ(Maison Enso 九十九里)は開業から67日間の実績です。母数が小さいため、通年ではこの水準を下回る可能性があります
  • 月商は月によって大きく振れます。同じ客室群の実測で、2026年6月は1室平均18.7万円、7月は29.9万円、8月は51.4万円でした。繁忙期の数字だけを見て年間を判断すると必ず外します
  • 30泊以上のマンスリー利用(賃貸借契約)は、この集計から除いています。1か月以上の賃貸借は住宅宿泊事業法上の「宿泊」に当たらず、事業の性格も単価も民泊とは別物のためです(後述)
  • 当社の運営物件には、旅館業の許可を取っている施設と、民泊新法の届出住宅(年間180日上限)が混在しています

タイプによる差が、そのまま事業の性格の差です。都市型は稼働率が高く単価が低い、リゾート型は稼働率が下がるかわりに単価が7割ほど高い。一棟貸しは1泊10万円台で回る反面、清掃も光熱費も桁が変わります。

そこから引かれるもの:タイプ別の実測コスト

売上から引かれる費用のうち、当社で実測値が出せるものをタイプ別に開示します。

費用 都市型 リゾート型 一棟貸しヴィラ
清掃1回あたりの支払い(中央値) 3,000円 5,500円 13,000円
水道光熱費(月額・中央値) 8,886円 18,291円 17,132円
平均宿泊数(1予約あたり) 2.14泊 1.79泊 1.22泊

清掃費は直近90日176件、水道光熱費は直近6か月の実測です。清掃は「1回あたりの単価」より「月に何回発生するか」で効きます。平均宿泊数が短いほど回転が増え、清掃回数も増えるためです。

予約サイトの手数料は、当社の実測で売上の約3.0%(508件)でした。Airbnbの「ホスト3%+ゲスト約14%」の分担型を選択している場合の数字です。

ここは特に注意が必要です。Airbnbは2025年10月27日以降、サイトコントローラー接続や定型ホストサービス料を選んでいるホストについてホスト側15.5%負担の方式に移行しています。分担型(約3%)か15.5%かで、月商30万円なら毎月約3万7,500円、年間45万円の差になります。自分のアカウントがどちらかは必ず確認してください。

モデル計算:手元にいくら残るか

実測値をもとに、都市型とリゾート型で計算します。家賃は物件ごとに違いすぎるため、まず「家賃を引く前の利益」を出し、そこから家賃を差し引く構成にしました。ご自身の物件の家賃を当てはめて読んでください。消耗品・リネン費は想定値です。

項目 都市型マンション リゾート型
月商(清掃料金込み・グロス) 257,000円 395,000円
予約サイト手数料 3% ▲7,710円 ▲11,850円
清掃費 ▲24,000円(3,000円×8回) ▲49,500円(5,500円×9回)
水道光熱費・通信費 ▲14,000円 ▲23,000円
消耗品・リネン(想定) ▲15,000円 ▲20,000円
家賃を引く前の利益 約196,000円 約291,000円
家賃の例 ▲120,000円 ▲150,000円
手残り(自分で運営する場合) 約76,000円/月 約141,000円/月

清掃回数は、実測の稼働率と平均宿泊数から算出しています(都市型は月18.0泊÷2.14泊=約8組、リゾート型は月16.9泊÷1.79泊=約9組)。なお清掃費は支出ですが、ゲストが支払う清掃料金は月商に含まれているため、実質的な負担はこの金額より小さくなります。

運営代行に任せる場合は、ここから手数料が引かれます。当社の「Auto民泊」は売上の17%+税なので、都市型なら▲48,059円で手残り約2.8万円、リゾート型なら▲73,865円で手残り約6.7万円です。

この数字が示しているのは、民泊は「自分でどこまでやるか」と「どのタイプの物件か」で利益が数倍変わる事業だということです。手数料が高すぎるのではなく、1室あたりの利益の絶対額がそれほど大きくないため、代行費用の比重が重くなります。だからこそ、清掃や鍵の受け渡しは自分でやり、法律上必要な住宅宿泊管理業者の部分だけを月額990円で委託する再委託型のような選択肢に意味が出てきます。

民泊新法の届出住宅は「年間180日」で上限が決まる

住宅宿泊事業法(民泊新法)で届出をした住宅は、人を宿泊させる日数が年間180日までと定められています。365日のうち180日なので、稼働率は物理的に49.3%が上限です。

先ほどの都市型の実測(1泊14,277円)を当てはめると、届出住宅の月商の上限はおおよそ次のようになります。

14,277円 × 49.3% × 30.4日 = 約21.4万円/月

実測の25.7万円と比べて、月4万円以上下がります。稼働が下がる分だけ清掃回数も減るため運営費用は約5.6万円になりますが、そこから家賃12万円を引くと手残りは月3.8万円ほど。家賃の高い物件を民泊新法だけで回すと、利益がほとんど残りません。都心で本格的にやるなら旅館業(簡易宿所)の許可、大阪などでは特区民泊といった、通年営業できる形態を検討する必要があります。当社が旅館業許可の施設を併せ持っているのもこの理由です。

180日枠を使い切らない選択肢:マンスリー

もうひとつ、届出住宅で使われる方法がマンスリー(1か月以上の賃貸借契約)との併用です。1か月以上の期間を定めた賃貸借契約による利用は住宅宿泊事業法上の「宿泊」に当たらないため、年間180日の日数には算入されません

つまり、需要が落ちる時期を30泊以上のマンスリー利用で埋めれば、180日の枠を繁忙期のために温存しながら、部屋を遊ばせずに済みます。当社でも実際にこの組み合わせで運用している部屋があります。1泊あたりの単価は民泊より下がりますが(当社の実測で1泊8,000円台)、閑散期に空室のまま家賃を払い続けるよりは有利です。

ただし、賃貸借契約としての体裁(契約期間、生活の本拠としての使用実態など)が必要で、短期の宿泊を「マンスリー」と呼ぶだけでは認められません。実際の運用は管轄自治体に確認してください。

儲からないケースの共通点

自社運営と代行の両方を見てきて、うまくいかない物件には共通点があります。

  1. 家賃が高すぎる:民泊の売上は稼働率と単価で決まり、上振れには限界があります。家賃が月商の40%を超えると、繁忙期の利益を閑散期で食い潰します
  2. 初期投資を回収できない設計:内装に300万円かけても、その部屋の単価が上がらなければ回収期間が延びるだけです。ターゲットを決めてから投資額を決める順番が逆になっている
  3. 稼働率を楽観して計算している:稼働率80%を前提にした事業計画をよく見ますが、当社の実測でも全11室の平均は57.6%です。60%を基準に、それ未満でも赤字にならない家賃かどうかで判断してください
  4. 立ち上げ2週間の初動を捨てている:新規リスティングは掲載直後に露出が上がり、そこでレビューを取れるかどうかが以後の稼働を左右します(Airbnbのブースト戦略
  5. 法規制を後から知る:管理規約で民泊が禁止されていた、消防設備が必要だった、家主不在型なので住宅宿泊管理業者への委託が必要だった。契約後に判明すると、初期投資が丸ごと無駄になります

まとめ

  • 自社運営11室の直近180日の実測は、平均稼働率57.6%、1泊あたり19,448円、1室あたり月商約34万円
  • タイプ別では、都市型マンション 月商26.4万円、リゾート型 39.5万円、一棟貸しヴィラ 152万円
  • 家賃を引く前の利益は都市型で約19.6万円、リゾート型で約29万円。ここに自分の物件の家賃を当てはめて判断する
  • 月商は季節で大きく振れる(実測で18.7万〜51.4万円)。年間で判断する
  • 民泊新法の届出住宅は稼働率の上限が49.3%。家賃の高い物件は旅館業許可を検討する
  • 事業計画は稼働率60%を基準に、それ未満でも赤字にならないかで判断する

「この物件だといくらになるか」を具体的に知りたい方は、Auto民泊の無料収益シミュレーションをご利用ください。周辺の市場データをもとに、賃貸に出した場合との比較でお出しします。自分で運営したい方は住宅宿泊管理サービス(月額990円)もご検討ください。

※本記事の実測値は2026年9月9日時点、当社が自社運営する客室のデータです。物件の立地・広さ・季節により結果は大きく変わります。将来の収益を保証するものではありません。

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