レビュー★5.0なのに予約が入らない?民泊の稼働率を「3倍」分けるデザインとターゲット設計

目次
「部屋はきれいにした。レビューも高い。なのに予約が入らない」——民泊運営で最も多い悩みのひとつです。
弊社は同じマンション内で3部屋の民泊を運営していますが、この3部屋の稼働率には最大3倍の差がつきました。同じ建物・同じ運営・同じ清掃チーム・同じ駅徒歩3分。違うのは部屋のデザインだけです。
この記事では、その実測データをもとに「予約が入る部屋」と「素通りされる部屋」の違いを解説します。
1. 同じマンションで稼働率に3倍差がついた実データ
弊社が東京都板橋区で運営する3部屋の、開業後90日間の稼働率です。
- 202号室(インバウンド向け・和の要素+ロフト): 稼働率 93%
- 205号室(インバウンド向け・新品の畳の和室): 稼働率 87%
- 105号室(ナチュラルテイストのおしゃれな部屋): 稼働率 31%
開業後90日の売上は、202が約87万円、205が約82万円に対して、105は約36万円。2.4倍の差です。



注目すべきは、105号室が「ダサい部屋」ではないこと。ラタンの家具に暖色の照明、ボタニカルアート。普通におしゃれな部屋で、泊まったゲストのレビューは**★5.0**です。
それでも、予約は入りませんでした。
2. デザインは「泊まった後」ではなく「泊まる前」に効く
ゲストは予約するとき、写真しか見ていません。
AirbnbやBooking.comの検索結果には、似た立地・似た価格の部屋がずらっと並びます。その中で指を止めてもらえるかどうかは、1枚目の写真でほぼ決まります。
105号室の写真からは「日本」が見えませんでした。ソウルにもバリにもありそうな、"無国籍にキレイな部屋"。誰が見ても感じは良いけれど、誰の「ここに泊まりたい」にもならない——これが素通りされる部屋の正体です。
一方、和の要素で作り込んだ202・205は、宿泊者の85〜90%が海外ゲスト。彼らが求めているのは「キレイなホテルっぽい部屋」ではなく、「日本に泊まった」という体験でした。
つまり民泊のデザインは内装の話ではなく、集客装置そのものです。
3. 民泊で「取れる単価」は 立地 × デザイン × 設備 で決まる
- 立地: 契約した瞬間に固定され、あとから変えられません
- 設備(サウナ・ジャグジーなど): 単価を確実に押し上げますが、投資も工事も大きい
- デザイン: あとから・比較的小さな投資で動かせる唯一の変数
だから運営中の物件でも、デザインの見直しは単価と稼働率の両方に効きます。
ちなみに、3部屋のうち一番稼働している202号室の内装費は、リサイクルショップの家具が中心の18万円でした。稼働31%の105号室は42万円。高い家具を置いたから予約が入るわけではなく、ターゲットに刺さっているかどうかがすべてです。
4. ターゲットは「近隣の口コミ」に書いてある
では、どうやってターゲットを知るのか。答えはタダで公開されています。周辺で稼働している民泊の口コミです。
近隣施設のレビューを読み込むと、次のことが見えてきます。
- どこの国のゲストが多いのか
- グループ・家族連れ・カップル、どれが中心か
- 何を褒めていて、何に不満を持っているか
「畳の部屋に感動した」というレビューが並ぶエリアで、モノトーンのホテルライクな部屋を作っても勝てません。逆に「家族4人だと狭かった」という不満が多いエリアなら、家族が快適に泊まれる部屋にするだけで選ばれる理由になります。
デザインは感性ではなく、リサーチで決めるものです。
5. 見落としがちな「運営できないデザイン」問題
予約が入るデザインにできても、もうひとつ落とし穴があります。オペレーションのしやすさです。
- 説明なしで使えるか: おしゃれな海外製家電は、ゲストが操作できないと「電気がつかない」と深夜に問い合わせが来ます。運営コストが上がり、レビューも下がります
- 壊れたとき・汚れたときにどうなるか: 一点物のヴィンテージ家具が壊れたら、同じものはもう手に入りません。備品は「壊れても翌日に同じものを買い直せるか」で選びます。汚れが染み込む素材は清掃時間を毎回延ばし、収支を悪化させます
おしゃれさとオペレーションは両立できますが、それには日々運営している側の知見が必要です。
6. 自分の部屋を5問でセルフチェック
運営中の方も、これからの方も、次の5問でチェックしてみてください。
- 1枚目の写真を3秒見て、「誰向けの部屋か」を一言で言えるか
- 周辺で稼働している民泊の口コミを、10件以上読んだことがあるか
- ターゲットの国・人数構成に、定員とベッド構成が合っているか
- 説明書がないと使えない家電・設備が、部屋にないか
- 主要な家具・備品は、壊れた翌日に同じものを買い直せるか
「いいえ」が3つ以上あったら、その部屋には伸びしろがあります。
まとめ:デザインの失敗は「毎月の売上」で払うことになる
デザインを外したときの授業料は、内装費だけではありません。埋まっていれば入っていたはずの毎月の売上です。弊社の例では、稼働31%の部屋と隣の2部屋の売上差は月およそ10万円。「とりあえずやってみて、ダメなら直す」の1年は、120万円の実験になります。
この記事のもとになった実測データの全文(宿泊者の国籍分析・内装費の内訳・失敗の経緯まで)は、代表の山田がnoteで公開しています。
➡️ レビュー★5.0なのに、予約が入らない。同じマンションの民泊で稼働率3倍差がついた話(note)
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